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活動報告

緊急即応体制を創る

2012/06/12

海上自衛隊との連携――救難飛行艇US-2の構造を知る

Civic Forceは、大規模な災害が起きたとき、企業や行政、NGOなどあらゆる組織の壁を超えた連携が必要と考えています。次の災害に向けた準備の一環として、今回は、海上自衛隊厚木基地で実施された研修の様子についてお伝えします。

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resizeDSC04519.jpg青森県の三沢基地、山口県の岩国基地、神奈川県の厚木基地――全国に3つある日米共同使用基地のうち、唯一海上自衛隊が滑走路の維持整備や航空管制といった飛行場を管理している厚木基地。海上自衛隊航空部隊の総司令部である航空集団司令部をはじめ、航空集団直轄の第51航空隊や第61航空隊、航空管制隊、また航空機のシステム管理に欠かせない航空プログラム開発隊など海上航空部隊にとって重要な部隊が集中しています。

その厚木基地に6月6日、Civic Forceのスタッフや関係者8人が集まり、海上自衛隊幹部学校による研修を受けました。研修では、洋上救難や災害派遣などを担う海上自衛隊「第71航空隊」や救難飛行艇に関する説明を受け、海上自衛隊の災害支援活動などについての理解を深めました。また、救難飛行艇US-2の内部や広報資料館を見学しました。
 

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救難飛行艇US-2 は、“洋上迷彩”となる濃い青色と灰色の機体が特徴。“救難飛行艇”の名の通り、片道2,000キロを飛行できる一方、胴体の下半分は船で、波高3メートルの荒海にも着水できます。機内は前から操縦員室、患者収容室、搭乗員室と続き、最後部が救助作業室。患者収容室には最大で担架が11床、人員輸送仕様に変えると30人を収容でき、最大3トンが搭載可能と言います。海面で転覆しないよう左右主翼下にはフロート(浮き)が取り付けられているほか、低速でも十分な揚力を発生させ、超低空飛行を支える機能や激しい離水・着水に耐える“艇底”、エンジンや尾翼に海水を飛ばさないように考慮された機能である“キャノピー”、機首にあたる波の勢いを消す波消し溝と波消板などを備え、世界から高い評価を得ています。

研修では、洋上の遭難者や船舶患者を収容して輸送できる、このUS-2の構造について深く理解するとともに、離島などからの急患輸送や遭難艦艇・航空機の捜索・乗員の救助などを任務とする海上自衛隊の役割について、実際に救助の現場の最前線で活動していた隊員から話を聞くことができました。
 
Civic Forceでは、東日本大震災で経験した「連携の力」を次の災害でも最大限生かすため、洋上救難や災害派遣のプロである海上自衛隊のような組織・関係者との連携を進めつつ、次の災害に向けた準備を進めています。
 
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