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活動報告

被災地を支援する

NPOパートナー協働事業

2011/10/28

"災害看護"のプロとして――協働パートナー事業

Civic Forceは4月から、NPOや任意団体などと「パートナー協働事業」を展開しています。同事業は特定地域にとらわれず、専門性のあるNPOと連携して生活再建支援を行う枠組みです。今回は、Civic Forceのパートナーとして、被災者の心と体の健康維持や仮設住宅入居後の生活再建、災害看護に従事する地元スタッフのスキルアップサポートなどの支援を行う「災害看護支援機構」を紹介します。

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「地震がこわくて眠れない」「大切なものを失い希望が持てない」「なぜこんな目にあわなければいけないのか怒りが募る」「身近な人を助けられず悔み続けている」――2011年3月11日に発生した東日本大震災では、1万5,000人以上が亡くなり、未だ4,000人以上が行方不明と言われています。生き残った人の多くは、体育館や学校といった避難所から仮設住宅に移ったり、家に戻るなどして暮らしていますが、肉親や知人、家や財産を失った悲しみや苦しみは根深く、“心の復興”にはまだまだ長い年月が必要です。

また、数ヶ月続いた避難所生活の疲れや将来の不安を抱く方々、高齢の方々は「疲れがとれない」「眠れない」「集中力がない」という悩みや、吐き気、食欲不振、胃痛、どうきなど様々な体の不調を抱えています。

こうした被災者の方々の心と体の状態を少しでも改善しようと災害発生直後から活動してきたのが、Civic Forceのパートナーである「災害看護支援機構」です。同機構は、近年、増え続ける国内外の災害現場において、“災害看護”を担う人材を増やそうと、2006年に設立され、震災後の救急対応や、次の災害に備えるための高い専門知識・技術を有する人材の育成を行っています。

同機構曰く、“災害看護”とは、「刻々と変化する災害時に、被災者に必要とされる医療や看護の専門知識を提供し、その能力を最大限に生かして被災地域・被災者のために働くこと」。その活動内容は、被災直後の災害救急医療から、精神看護、感染症対策、保健指導など多岐にわたります。こうした多岐にわたる取り組みは、暮らしをケアする“看護”の基本理念です。

予想を大きく上回る事態となった今回の東日本大震災でも、まさに広範囲にわたる支援が求められました。そこで、災害看護支援機構では、被害の大きかった岩手県陸前高田市と宮城県気仙沼市内にある3ヶ所の避難所に、災害看護経験のある医師や看護師、介護ヘルパーなど総勢174人を全国から派遣して、被災者に対する医療・看護・介護・心のケア・生活環境適応サポートなどを行いました。

被災地に派遣された医療従事者の多くは、阪神淡路大震災や中越地震のほか、国内外で災害看護に当たってきたプロでしたが、「現地の専門職や行政が大きな打撃を受け、当初は地域住民のニーズに応えられる状況ではなかった」と言います。しかしながら「できることから始めよう」と、日々の健康チェックや健康相談、栄養相談、介護が必要な被災者には食事や排せつの介助などを実施。ピーク時には24時間体制で途切れることなく支援活動を続けました。また、避難所から仮設住宅への入居時や、その後の健康維持サポート、要介護者への支援も実施しました。

(次回に続く)

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(災害看護支援機構では、“災害看護”を担う人材の育成にも力を入れています)