災害支援のプロフェッショナル Civic Force(シビックフォース)

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2011/08/01

仮設住宅の今

津波被害が甚大だった気仙沼市や南三陸町では、避難所から仮設住宅への引っ越しが現在も続いています。気仙沼市では、現在も公民館などで避難生活を続ける被災者が1496人(7/29現在、旅館などに2次避難する人を含む)います。一か月前で同2319人だったことを振り返ると、多くの方が仮設住宅へ入居できるようになりました。着工済みを含めた同市の仮設住宅数も前月の2396戸に対して、現在では3405戸が完成・建設中と急ピッチで工事が進んでいます。8月中にも建設必要戸数は確保できる見通しですが、隣接した岩手県一関市内に着工した仮設住宅もあり、地元から離れたくない被災者から不満の声が出ています。

仮設住宅での新しい生活はどのようなものでしょうか。

建設会社によってさまざまなタイプの仮設住宅がありますが、入居者からは「壁が薄くて、隣の人の声が聞こえる」、また「断熱材がないので、とても暑い」などの声がちらほら。ただ、まだ仮設住宅に入居できていない方もいるという負い目もあり、声を大きくすることはありません。しかし、それ以上に入居者は「知らない土地で、知らない人々と暮らすこと」に対して不安を抱いていると言います。

抽選で入居が決まった仮設住宅では、従来のコミュニティが分断されたため、新たな関係づくりが必要です。震災で家族を亡くした方や、一人暮らしの高齢者などの孤立を防ぐために、市職員や医療系のボランティアが巡回訪問をしたり、交流の場を作ろうとお茶会を開いたりしています。場所によっては、土地が広くないために集会所など住民が気軽に集まれる場所がない仮設住宅もあります。気仙沼大島にも集会所のない仮設住宅区がありましたが、Civic Forceの運んだコンテナハウスが集会所として使われる予定です。地元気仙沼の復興を目指す若手が集まる会合では、集会所に代わる移動式カフェなどを展開したいという案も出ています。

買い物が不便な仮設住宅では、もともと商売を行っていた地元の方が移動販売を行うほか、コンビニも出店準備を進めるなど、地元商店や企業で新しい生活を支援しようとしています。行政とボランティア団体、そして企業とが、少しでも仮設住宅での生活をより良いものにできるよう、連携を進めています。

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(運動場に建った仮設住宅たち。連日各地で、避難所から仮設住宅への引っ越しが行われている)

さらに県外に集団避難した方は、さらに心細い想いをしています。Civic Forceでは、生活クラブやまがた生活協同組合と協働して、福島県から山形県米沢市に集団避難してきた方々への支援をしています。この活動については、近日中に活動報告の中でご報告する計画です。