2011/07/06
Civic Forceでは産業復興支援の一環として被災地における様々な産業の現場の状況を取材、調査しております。今回は、気仙沼漁港での様子を取材に行ってきました。
6月28日、東日本大震災後初めて気仙沼漁港でカツオが水揚げされました。「気仙沼復活ののろし」として多数の仲買人たちがセリに臨みました。7月2日には気仙沼漁協主催で、水揚げされたばかりのカツオを地元住民に味わってもらうための直売イベントを行いました。6月23日再開を宣言し準備を進めてきた漁協にとって、初水揚げの28日までは不安がありましたが、第一号となった静岡県の巻き網漁船が入港以来、宮崎県や高知県などの漁船が入港し、量は少ないものの継続してカツオが水揚げされています。市内で被災を免れた鮮魚店では、活きの良いカツオを買うことができます。
多くの冷凍倉庫や加工会社が被災したため生出荷のみのセリですが、それを実現するまでに漁協関係者は急ピッチで準備を進めました。漁協では地盤沈下した漁場のかさ上げを何とか終わらせ、出荷に必要な製氷会社は再開に合わせて製氷機を導入しました。漁協が6月に再開するという話を聞いて、漁に出る際の食料や生活用品を手配する仕込み屋も、被災した店舗を急いで補修。営業を再開しました。
カツオの水揚げで勢いづく気仙沼。漁再開に向けて個人で船を手配した漁師などから、漁網などの道具の注文が増えていると聞きます。道具の卸業者にも仕事が戻り、一転して忙しい日々を送っている方もいるようです。
鮮魚店にはイカやホタテなど例年地元で取れる海産物はありませんが、復活したカツオを買い求めに来る人が後を絶ちません。クール宅急便の伝票もたくさんありました。「震災でお世話になった方々へのお礼として、気仙沼でとれたカツオを贈りたいというお客さんが多い」。伝票には東京や栃木など全国各地の住所が記載されていました。
(とある鮮魚店にて。カツオ以外は市外から仕入れている。)