災害支援のプロフェッショナル Civic Force(シビックフォース)

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活動報告

被災地を支援する

NPOパートナー協働事業

2011/06/28

居心地が良いボランティア拠点―協働パートナー紹介

Civic Forceは4月から、NPOなど7団体と「パートナー協働事業」を展開しています。同事業は特定地域にとらわれず、専門性のあるNPOと連携して生活再建支援を行う枠組みです。今回は、Civic Forceのパートナーとして、宮城県大崎市に拠点を置き、石巻市などで支援活動を展開する「オンザロード(東京都世田谷区)」をご紹介します。

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「おかえり」「ただいま」

被災地でのガレキや泥撤去の重労働に従事したボランティアたち。そんな彼らが帰るのを心待ちにするボランティア拠点があります。宮城県大崎市にあるオンザロードのボランティアビレッジ。そこは、あったかいご飯が用意され、たくさんの仲間たちとの交流ができる心地よい空間です。

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(全国から集まったボランティアたちのテントサイト。一日の作業を終え、食堂テントでご飯を食べながら談笑)

石巻市にはこれまでに240もの団体が集結し、支援活動を展開しています。ガレキ撤去や炊き出しのほかにも、心のケアや介護、物資提供などありとあらゆるボランティア活動が展開されています。支援団体を取りまとめる石巻災害復興支援協議会のメンバーであるオンザロードは、ガレキ撤去や炊き出しなどのボランティアを企画、全国からボランティア活動に従事したいという人材の受け入れ組織。石巻市においてボランティアの受け皿となる団体は、ピースボートを筆頭に複数あり、地域ごとに泥撤去や炊き出し作業を分担しています。

その中でも、特にオンザロードが得意とするのは、ガレキや泥の撤去作業。「だらだら作業はケガの元」として、作業のスピード重視で働きます。荷物運びでも、荷物を置いたら小走りで次の荷物を運ぶのは当たり前。ダンプ9台を手配して、運転手として3人を現地で雇用しています。ほかの団体からは“ガテン系のオンザロード”と言われるほど、体力勝負の重労働を得意とします。

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(柱などの大きなガレキ撤去もチームで効率よく。男女問わず、黙々と作業を進める)

震災前のオンザロードは、インドやジャマイカの国々で、無料で通える学校を作る活動を展開していました。2008年にインド・バナラシに小学校を、2009年にはジャマイカ・キングストンで音楽学校を作りました。学校周辺に旅人が宿泊できるゲストハウスを併設して、その収益を学校の運営資金としています。れんが積みや屋根作りの建設作業をあえて自分たちで行い、現地の人々と一緒に汗を流して働くこともあれば、ゲストハウスに宿泊した旅人に小学校の先生として、現地の子供たちに得意なことを教える。そんな国際交流も兼ねた持続可能な教育支援の一端を担ってきました。

理事長としてオンザロードを主宰するのは世界一周の旅などでバックパッカーの憧れ的存在である高橋歩さん。今回の震災で代表の高橋さんは世界一周の旅の途中から日本に戻り、3月末に宮城県石巻市に入りました。自分たちのNPOでも何かできないかと考え、4月9日ごろには被災地に近い場所でボランティアの拠点となるような場所探しを開始しました。しかし現地視察に入った3月末の時点で、石巻市に集結したボランティアの拠点となっていた石巻専修大は、たくさんのテントでグラウンドが埋め尽くされていました。

水も電気もない状態でのテント暮らしでは、がれきや泥撤去の重労働はボランティアの負担になる―。被害が甚大でボランティア活動が長期戦になるとの見込みがあったことから、長期に滞在できる確かな拠点を確保しようとグーグルマップを使って被災地に近いキャンプ場を探しました。石巻市から車で1時間程度の宮城県大崎市の温泉施設「さくらの湯」の一画をキャンプ場として借りて、ボランティアの滞在拠点を立ち上げました。さっそく、ホームページなどウェブ上で4月15日から一般ボランティアの受け入れを開始しました。

次回は、オンザロードが石巻で展開する支援活動をご紹介します。