災害支援のプロフェッショナル Civic Force(シビックフォース)

活動報告

被災地を支援する

大型カーフェリー就航事業

2011/05/04

5月3日(火)沈没船にも負けない奇跡の水道管

東北地域最大級の有人離島、大島の水道は、本土からの海底を通る2本の送水管に依存していました。大震災の影響で本土側の給水網が損壊したほか、海底の送水管のうち1本が、やはり利用できなくなりました。もう1本が奇跡的に残り、ゴールデンウィーク中に給水が再開された、とのニュースは、災害対策本部や報道によって大島でもいち早く情報が回りました。この直径15センチの送水管は、津波の影響で沈没した船の下敷きになりつつも、かろうじて壊滅的な被害を免れたものです。4/3の大震災後の最大規模の余震では、その沈没船が傾き、一部パイプを破損しました。沈没船を引き上げ、ダイバーが懸命にパイプの交換作業をしたおかげで、5/1には給水が再開されました。

 

5/3のCivic Forceの4トントラック定期便は、大島に向けてシャンプーやリンス、ウエットティッシュや調味料のほか、ご飯系の食料品をお届けしました。また、通水が始まったとはいえ、島からの依頼を受け、備蓄分も含め水もトラックに積載してお届けしています。

5/3の大型カーフェリー「ドリームのうみ」には、ようやく仮設住宅の建築資材が乗り込むようすが見られるようになってきました。島唯一の中学校、大島中学の校庭には、基礎の建築作業が始まっています。一方、住民の一部は、5/3から津波被害を免れ、市が借り上げた島内の旅館に移動が始まっています。食事をどのように提供するのか、支援物資などを受け増えた私財をどこに保管するのか、など、解決する問題が残っていますが、集団避難生活から前に進んでいます。(写真は、Civic Forceのトラックと建築資材を運ぶトラックなど、大型車両が「ドリームのうみ」に乗船している様子)

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もう1つの拠点地域、南三陸町は、水問題はまだ解決のめどが立っていません。

本管の破損がひどい状態で、水質も塩分を含んだままの状態です。飲料水としてではなく、生活用水として通水する可能性も視野に、町が復旧に取り組んでいますが、仮設住宅等に関しても、当面は給水車で対応することになっています。Civic Forceでは、この状況をかんがみて、ここ数日1日2台程度の4トントラックに水を満載して倉庫にお届けしています。

 

一方、南三陸町から車で20-30分内陸に入ると、津波被害のない地域でほぼ普段どおりに生活が戻ってきています。お店も震災前に近い状態で営業を再開し始めており、日用品や大工関連用品に欠品があることがあっても、さまざまな店舗が営業をしています。Civic Forceが事務所兼住居を構える地域でも、スーパー銭湯を含め、各種店舗が営業し、地元の皆さんの生活も徐々に戻ってきている印象を受けています。南三陸町などからも、スーパー銭湯やコインランドリーのサービスを利用しにくる方が増えています。