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活動報告

被災地を支援する

2018/10/21

【西日本豪雨】冬に向けて毛布を配布ーNPOパートナー協働事業

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毛布の「ドライブスルー配布会」

被災地に寒い冬の到来が迫っています。

今年7月の西日本豪雨で生活圏の8割が被災した岡山県真備町(倉敷市)でも、朝晩はずいぶん冷え込むようになりました。こうしたなか、「避難生活を続ける人たちの寒さ対策の一助になれば」と、10月21日、町内の一角で毛布を配る「ドライブスルー配布会」が開催されました。主催は、NPO法人「そーる 訪問看護ステーション」。東北から届けられた毛布800枚などを地域の皆さんに配りました。

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また、当日はそーるの看護師たちによる「健康相談」も実施され、血圧を測りながら日頃気になっている体の不調や悩みについて相談する人々の姿がありました。

実は、こうした有志メンバーによる物資配布の会は、8月から毎週日曜に実施されてきましたが、口コミで広がり、今や地域の人たちが集まる「交流の場」になりつつあります。代表の片岡奈津子さんは「健康相談の機会は今回が初。11月からは ”enrichカフェ”として、地域の人々と協力しながら足湯やワークショップ、子どもたちの教育支援などさまざまな催しを行っていく計画です」と言います。

 

「訪問看護は命綱」ー被災しながら継続

”訪問看護”を専門とする「そーる」が、なぜこのような地域づくりの活動を始めたのでしょうか。その答えは豪雨災害以前に遡ります。

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2016年に真備で設立されたそーるは、重篤な疾病や傷害を持った人も住み慣れた地域でその人らしく生きられるよう、”ともに生きる”をモットーに、24時間365日体制で訪問看護を担ってきました。特徴は、訪問看護と予防訪問看護に患者搬送事業を組み合わせた岡山県ではまだ例のない取り組みであること。地域に埋もれていたニーズの掘り起しを行い、社会福祉協議会や民生委員の会議等で在宅療養の必要性や看取り看護の重要性を伝えてきました。

ところが、今回の西日本豪雨で、真備町内にあった事務所や代表の片岡さんらの自宅が浸水。避難を余儀なくされるなか、高齢者や障がい児者など在宅療養を必要とする当時の利用者全員の安否を確認し、今も避難先から訪問看護を続けています。利用者は震災前の半分ほどに減ってしまいましたが、人工呼吸器の装着や気管切開、人工肛門のケア、リハビリなど医療依存度の高い人も多く、精神疾患のある人への生活支援も行っています。訪問看護の継続が利用者の命綱となっている面もあり、主治医やケアマネージャー、精神保健福祉士などとも連携しながら昼夜休みなく対応しています。

深刻化する人口流出の課題に向き合う

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Civic Forceは、被災したそーるの事務所の代替施設として、7月末からトレーラーハウスを貸し出しています。設置場所は町内の小さな空き地で、周辺には全国から届けられた支援物資を置き、支援が届きにくい在宅避難者らにも届くよう「物資の配布会」を定期的に開催してきました。

また、震災前、地域の誰もが参加できる集まりとして月1回行っていた「ケアカフェinまび」を8月に復活開催すると、40人以上の人が集まりました。その後も同様の会を開き、災害の経験や現在の課題などを共有し合いながら、深刻化する人口流出の課題と向き合い、地域の新しいまちづくりの機運を高められるよう尽力しています。

訪問看護という本業で培ったネットワークを生かしつつ、地域の人々の困りごとを把握し、解決のために奔走する「そーる訪問看護ステーション」。Civic ForceはNPOパートナー協働事業を通じて、10月からその取り組みをサポートしています。