災害支援のプロフェッショナル Civic Force(シビックフォース)

被災地を支援する

中長期復興支援事業

東日本大震災支援事業

中長期復興支援事業

観光再生プロジェクト~"訪れたいまち"に向けた官民協働の仕組みづくり

東日本大震災で甚大な被害を受けた東北の太平洋沿岸地域は、もともと美しい自然景観と世界的にも優れた漁場が広がり、この自然の恵みによって地域の産業が支えられてきました。特に、観光業は水産業に次ぐ主要な産業でしたが、震災後の観光産業の落ち込みは域内経済に深刻なダメージを与えています。

こうしたなか、三陸沿岸の各自治体は復興計画に観光再生戦略を掲げるなど観光業を復興させるための施策を検討しています。Civic Forceが震災発生直後から支援活動を展開してきた気仙沼市は、2011年10月に策定した「気仙沼市震災復興計画」で、重点事業の一つとして"観光"を挙げ、2012年3月から11月まで毎月1回、「観光戦略会議」を開催。市内の観光業関係者や外部のアドバイザーなど総勢24人の委員からなるこの会議では、今回の震災を"再生"の機会ととらえ、観光を本当の意味での基幹産業に育て上げていく目標が確認されました。

Civic Forceは、中長期復興支援事業の一つとして、この気仙沼を中心に三陸地方の観光産業を再生させるため、「三陸観光再生プラットフォーム(仮称)」の構築を目指しています。具体的には、震災後から関係を築いてきた地元金融機関や気仙沼市、観光関連企業などと協力して、観光の"再生"につながるNPOや企業などの先駆的な事業を支援する仕組みをつくり、成功事例の確立と拡散を図ります。また、地域のNPOが中心になってまちおこしに取り組んでいる気仙沼市唐桑地区において、自然環境、防災、地域協働をテーマにした観光再生のモデル事例の創造を目指しています。

元 気仙沼市産業部観光課
畠山幹司さん

元 気仙沼市産業部観光課
畠山幹司さん

気仙沼の観光再生のために
気仙沼の観光再生のためには、海産物を主体とした食彩、海山の景観、世界遺産に登録された平泉との地理的な関係、また震災を機にできたボランティアとのつながりなど、多様なリソースをいかに組み合わせ、魅力的なまちにしていくのかが重要です。やらなければならないことが山積みで、気が遠くなってしまうこともあります。そうしたなか、震災発生直後から支援に入り、現在も復興まちづくりにかかわるCivic Forceは、私たちと同じ目線で復興に携わってくれる数少ないNPOとして信頼しています。「気仙沼市観光戦略会議」への参加をはじめ、客観的かつ俯瞰的なアイデアの提供やキーパーソンの紹介、さらには実際の観光再生戦略の策定と実行まで引き続き協力し、気仙沼の観光を盛り上げていってほしいと期待しています。

NPO法人森は海の恋人
副理事長 畠山信さん

NPO法人森は海の恋人
副理事長 畠山信さん

志あるパートナーとともに
私たちの活動拠点である気仙沼湾は、三陸リアス式海岸の中央に位置する波静かな天恵の良湾ですが、産業の発展とともに自然環境が汚染され、漁業に大きな影響を与えました。そこで漁師である父の代から始めたのが、「森は海の恋人」運動です。森・里・海を一体としてとらえ、豊かな森をはぐくむことによってきれいな海を取り戻すためのこの取り組みを20年以上続けてきました。震災後は、家や仕事場も流され再起を図ることは難しいと感じた時期もありますが、Civic Forceや全国のボランティアなどに助けられ、カキやホタテの養殖とともに、森づくりや子どもたちへの環境教育を再開することができました。震災前から深刻だった地域の過疎化をくい止めるためにも、地域の人々の知恵や技術、文化を総動員し、人と自然の共生の在り方を考え直す拠点となるような環境に配慮したまちづくりに、Civic Forceを含めた志あるパートナーとともに挑戦中です。そうした自然との共生を体感してもらうことが、新しい時代にふさわしい観光のスタイルでもあると考えています。
  • 宮城・気仙沼市唐桑町

    宮城・気仙沼市唐桑町

  • 活動風景

    宮城・気仙沼市唐桑町

  • 活動風景

    気仙沼市観光キャラクター
    「ホヤぼーや」