災害支援のプロフェッショナル Civic Force(シビックフォース)

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活動報告

緊急即応体制を創る

2012/02/06

被災現場を想定した訓練を実施

災害はいつ、どこでやってくるか分かりません。次にいつ起きるか分からない災害に備え、Civic Forceは、1月中旬、緊急時の心構えを学ぶためのトレーニングを広島で実施しました。

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「被災地で足手まといになる人間はいらない」――大規模な災害が発生したとき、被災地で活動する支援者に最低限求められるのは、まず自分の身は自分で守ること。災害が発生したとき、被災した現場にいるのは、被害者をはじめ、人命救助を目的に活動するレスキュー隊、医師や看護師といった医療関係者、行政やNGOなど様々な立場の人が支援に駆け付けます。被災地では、そうした人々と協力しながら迅速かつ的確な支援が求められます。

今回の訓練では、レスキューの現場で豊富な経験を積んできた実務者を講師に招き、主に若手スタッフを中心に、緊急時の心構えや現場で知っておくべき知識などの基礎を学びました。

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座学ではまず、けが人の応急処置として用いられる三角巾を使って、傷口の被覆や止血の仕方、固定包帯の方法などを確認し、2人1組になって実際に頭や腕などを巻く練習を行いました。また、医療関係者が現場にいない場合の応急処置として、多数の傷病者を重症度と緊急性によって分別する「トリアージ」のつけ方や、重症者とのコミュニケーションの取り方などについて、実例に基づく話を聞きながら理解を深めました。

このほか、無線通信の知識も確認。携帯電話などの通信手段が途絶えてしまった場合、有効なのは無線通信です。通話表を覚えるべく、「アは朝日のア、イはいろはのイ、ウは上野のウ…」と参加者一人一人が声に出しながら通話に必要な単語を頭に入れます。固有の名称や略符号、数字、つづりの複雑な語を一字ずつ区切って送信する場合などにも、相手に伝わりやすくするために、こうした記号を使って意思の疎通を図る必要性を再認識しました。

野外では、木の枝やがれきを拾ってきて火をつけ、お湯を沸かす練習も。雨や雪で燃やすものが濡れている場合や、火をつける道具がない場合の処置などについて話し合い、いざというときに最大限のことができるよう日頃の装備も重要です。

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また、毛布などを使って担架を作り、4人がかりで負傷者を搬送する訓練のほか、ロープの使い方も習得。本結びやとめ結び、8の字結び、もやい結びなど、何かに縛り付けたり、2本をつなぎ合わせたりする際に必要なさまざまな結び方を素早く実践できるよう練習しました。

そして訓練の最後には、クレーン車を活用して、高い場所から降りる訓練を実施。ロープを自分の体に巻きつけて、「8管(エイトカン)よし!カラビナよし!準備よし!」などと声に出しながら、ロープの状態を確認して、周囲にいる人とのコミュニケーションを図りながら、安全に地上に降りる練習を繰り返しました。

こうした訓練は、レスキュー隊や自衛隊など被災地の現場で活躍する人にとっては基本中の基本。日々の体力づくりとともに、いざというときに的確な判断で行動できるよう、日頃の訓練がカギとなります。Civic Forceでは、災害発生時にレスキューのプロと協力して支援活動を行うことを想定し、今後も定期的にトレーニングを実施していきます。

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