2011/08/17
お盆期間中、気仙沼市と大島とを行き来するカーフェリーは帰省客と観光客とでにぎわいました。大島では13日に恒例の花火大会が催され、地元に帰省した人々が家族や旧友と再会していました。災害対策本部も7~16日までをお盆休みとしていましたが、実際には各地から来客があり、対応に追われた休暇となったようです。
Civic Forceでは、構造用合板(コンパネ)1000枚をMohammed Bin Rashid Al Maktoum Humanitarian & Charity Est.からのご寄付により購入し、気仙沼市内と大島にそれぞれ500枚ずつ納品しています。津波被害を受けた民家の補修が必要な一方、資材が圧倒的に不足することを予測して6月に動いていたもので、現在、民家の修繕のために、順次地元の大工さんに使っていただいています。16日、Civic Forceスタッフは気仙沼市大島へ使用状況のヒアリングに行ってきました。
案内していただいたのは、島の大工さん。大島復興チーム(おばか隊)の一員としても活動しています。一件目にお邪魔した老夫婦のお宅では、1階の天井まで津波が押し寄せました。一階部分の畳や床をはがし、海水で湿った地面を乾かしています。「一度海水に浸かった部分は、乾くと塩が吹いてくる」と言うように、残った柱などには白い粉が浮き出ています。現在は急場しのぎとして、合板を敷いて仮の床にしてベッドなどを置いて生活を続けています。
(合板を仮の床として骨組みの上に載せて生活している。海水に浸かった部分は拭いても塩が吹く)
ほかの部屋では、日が当たらないために湿気が取れなかったり、断熱材に海水が吸収されて乾きにくくなり天井にカビが生えたりと、修復にも時間がかかっています。ですが、奥さんは「大工さんが来てくれて助かった。おかげさまで何とか暮らせています」と話します。お盆には、遠くに暮らす娘家族が里帰りし、補修中の自宅で家族水入らずの時間を過ごすことができました。
大工さんによれば、現在も建材が不足する傾向にあります。通常であれば、乾燥させた木を加工して建材にしますが、需要に対して乾燥させる暇がなく、生木を使わざるを得ない状況があるようです。いくつかの民家から補修の依頼があり、同時並行で補修を進めている状態です。一家全員で仮設住宅に入っているお宅では、なかなか片付けも進まない様子。「夏場は床が無くても隙間があっても良いけれども、寒くなるまでに何とか直さなきゃいけないと思う」と大工さんは焦りを見せます。
(修復工事の作業足場に使われる合板)
屋根を流された大工さんの作業場も提供された合板を使って、直すことができました。屋根に約20枚、壁に約30枚が必要となる見込みです。大工さんは「民家に続いて、漁業の作業場などの補修依頼も増えている。合板のニーズはますます増える」と言います。
(修理が進む作業場。断熱材などの資材はあるが、柱や壁に使える建材は手に入りにくい)