災害支援のプロフェッショナル Civic Force(シビックフォース)

HOME 活動報告 被災地を支援する 東日本大震災支援事業 NPOパートナー協働事業 5月27日(金)ラッキーな犬たち―協働パートナー紹介

活動報告

被災地を支援する

NPOパートナー協働事業

2011/05/30

5月27日(金)ラッキーな犬たち―協働パートナー紹介

Civic Forceは災害支援団体の立場から、平時から救助犬の育成を支援する団体とパートナーシップを結んでいます。その関連で、東日本大震災の被災地に、救助が必要な犬が多数取り残されているという情報を早くからつかんでいました。

犬の保護と管理を得意とする任意団体「Save the dog」(東京都世田谷区)は、犬のしつけ専門学校ドッグライフプランナーズを運営する有限会社ディーエルピー(同)などと共同で、福島県の原発事故の影響で避難地域とされている南相馬市や浪江町などで、飼い犬の救助と保護を行っています。

05300.jpg05301.jpg

(ドッグライフプランナーズ港・品川校の様子と、預かっている犬たち)

Save the Dogの代表である岸美知子さんは息子の岸良一氏、岸良磨氏と共に1998年、犬のペットホテルやしつけ教室を行うドッグライフプランナーズを設立。家庭犬のトレーニングやカウンセリングを通じて、たくさんの愛犬家との出会いに恵まれました。ただ、愛情を注がれるペットがいる一方で、保健所や動物愛護センターへ持ち込まれ、殺処分される犬たちがいる現実に矛盾を感じていました。

環境省自然環境局によると、2009年度に殺処分された犬は約66,000頭にものぼります(都道府県と政令市例都市、中核都市合計)。

岸さんは「しつけを教えるだけでなく、保護することも必要」と考えた結果、2004年にSave the Dogを立ち上げました。各地にあるドックシェルターやペット預かり所などで保護された犬たちのケアにあたっています。

行き場を失った犬たちは、殺処分されるのか、はたまた保護されて一生をまっとうするのか。雲泥ともいえるこの差は、どのように生まれるのでしょうか。福島の避難地域で犬を救助してきた岸良一さんは「運としか言いようがない」と答えます。

今回の協働事業では、岸さんを筆頭に3~5人の犬の専門家が2回の救助活動を行うなどで、合計22頭の飼い犬を保護することができました。保護した犬たちは現在、ドッグライフプランナーズの校舎内で休養を取り、しつけを受けています。一部の犬たちは無事に飼い主が判明し、一緒に暮らし始めています。飼い主からの救助依頼で保護できた犬もいます。

05304.jpg05305.jpg

(4/4、南相馬市小高地区で救出したチョッパー君〈仮名〉。津波の被害のあった場所で、路上をさまよっていた〈YouTube、保護時の様子〉。未だに飼い主は見つからず、ドッグライフプランナーズ梶ヶ谷校で預かっている)

Civic ForceとSave the Dogの協働事業で、被災犬たちの運はより良いものになっています。次回は、保護された犬の今をご紹介します。