災害支援のプロフェッショナル Civic Force(シビックフォース)

活動報告

被災地を支援する

緊急支援物資の大規模調達・配送事業

2011/05/13

5月12日(木)被災地におけるモノと情報の流通

5/12は、大島への物資輸送や、大島の災害対策本部との打合せ、南三陸町では歌津の老人保健施設や韮の浜の手作りお風呂の引継ぎに関する打合せ等をしました。電気が徐々に復旧し、生活リズムを取り戻すなか、韮の浜のお風呂では夜の時間帯の利用者が増える傾向にあり、お風呂周辺の安全確保や運営体制の検討をしています。

5/14-15には、大島における物資受け入れと配布拠点だった大島小学校にて、支援物資の無償提供イベントが予定されています。大島が受け取った支援物資のうち、島民全員に均等に行き渡らない物量の物資が積み残っていることから開催されるものです。多くの地域がそうですが、大島地区では地区内の約1,130世帯すべてに、届いた物資を等しく分ける方針で、それをまかなえない物資が残っています。

Civic Forceでは、大震災発生直後から、ヘリやトラックを使って支援物資を配送してきましたが、原則的に地域の災害対策本部と確認をしながら物量や品目を調整してきました。災害発生直後の混乱期だからこそ、一元的な管理のもとで必要な物資が滞りなく被災された方々の手に届くことが重要です。その他、ロジスティックスで大切なことは、倉庫の在庫管理や末端の避難所までの配送システムです。倉庫の管理においては、出庫する時期や量を考えて入庫を受けたり、在庫管理をすること、末端の避難所までの個別配送は、その足を確保し、効率よく配送してまわることができるか、にかかっています。

110513物資分配.JPG

 気仙沼市の場合は、物流手段が途絶えた大島を除いては、自衛隊と宅配業者が連携して、他地域に比べてスムーズに避難所まで配送できていました。行政による物資の要請や受け入れ、自衛隊等による倉庫管理、地の利のあるドライバーによる避難所への宅配、と行政と企業が連携していた事例です。一方大島では、島に到着する物資に関して、組織的な管理体制が構築されています。島内避難所の担当者や自宅避難する各地域のリーダーから、避難状況や支援ニーズの情報が島の災害対策本部と気仙沼市の大島支所に集約されてきます。物資が到着すると、各避難所や地域のリーダーに分配リストと必要な物資が積み分けられ、各世帯に配布される仕組みです。分配リストが精緻に作られ、運用されている事例です。

そして、ロジスティクスと並んで重要なのが、情報の流通です。

大震災の発生から2ヶ月。被災された皆さんは、今後の生活再建に向けて数え切れない壁にぶつかっています。集団避難生活から、徐々に仮設住宅や宿泊施設への二次避難が始まっており、ようやく落ち着いたプライバシーのある環境で次の生活を考える時期において、情報の不足が指摘されています。

Civic Forceが活動する地域の一つである気仙沼市では、3/30以来毎日市民にむけて生活情報を提供しています(http://www.city.kesennuma.lg.jp/icity/browser?ActionCode=content&ContentID=1301707551604&SiteID=0)。ウェブに掲載されるだけではなく、避難所や公的機関に掲示されています。

110513keijiban.jpg

その内容は、ライフラインの復旧情報や公共交通機関や道路の復旧状況、医療機関情報や教育福祉サービスの稼動状況、そして応急仮設住宅の建設情報等です。これらの情報は気仙沼市が主管となり復旧・復興に精力的に展開しているものですが、税や年金、就労や法律相談など、県や国が主管するような領域については、相談先が明記されているにとどまっています。今後、生活を再建するにあたり、国や県、市レベル情報が一元的に管理され、相談できるような体制が必要ではないか、と考え、Civic Forceは、その対策や体制についての検討を進めています。