災害支援のプロフェッショナル Civic Force(シビックフォース)

活動報告

被災地を支援する

手作り風呂設営・運営事業

2011/04/22

4月19日(火)手作り風呂をみんなの風呂に

南三陸町は朝から大雨で、また冬にもどったかのような肌寒い一日でした。

Civic Forceが南三陸町に設営した手作りお風呂は、4箇所です。最初に設営した歌津中学校には、500人近くが生活していますが、そのお風呂「魚龍の湯」は、1日100人の方が利用しています。

4箇所のお風呂は、地元の皆さんがお湯を沸かす作業をされたり、入浴時間の管理などをしてくださっています。箱物をつくっておしまいではなく、地元で必要とされるお風呂になるよう、いまもCivic Forceのスタッフがお風呂をまわり、地元の皆さんと運営の仕方や、火の付け方のコツなどを引き継いでいます。

具体的には、荒砥保育園のお風呂は、近くの荒砥小学校に避難されている皆さんが当番制で管理していく体制を、寄木地区のお風呂は、設営場所をご提供いただいている家主さんやその家に避難されている方々に運営していただいています。

韮の浜地区のお風呂は、南三陸町のベイサイドアリーナにあるボランティアセンターにボランティア登録された方にお手伝いいただいています。4/19は、灯油バーナーの使い方など、一緒に作業をしながら覚えていただいています。

この一連のお風呂づくりは、もともと地元の方々が五右衛門風呂つくりを挑戦していた姿を見て始まったものです。地元の皆さんと建て、皆さんと安定的に運営できるようになって始めて私たちは現場を離れることができる、と考えています。

 南三陸町では、毎日避難所にいる方の人数を発表しています。一部地域で電気が復旧した週末に200人以上の方が避難所を離れ、自宅等に帰られました。またガソリンが安定的に供給されるようになり、ご自身の運転で近くの温泉等に入りに行かれる方が増えています。Civic Forceでは、これを復旧・復興に向けた前向きな動きと捉え、南三陸町内での手作りお風呂を新設する作業を一時的に休止しています。今後は、他地域を含め、必要性があれば再開する計画です。

 町では復旧に向けた動きが加速してきました。

4/18には、町内唯一の病院で、津波の被害で診察ができなくなっていた志津川病院がプレハブの仮設診療所を開設しました。建物の4階まで水につかった病院の前に、2週間イスラエル軍が設営・利用していた仮設診療所を利用するものです。内科、外科、整形外科や歯科、小児科、眼科・耳鼻科・皮膚科が始まりました。その他、町内の各主要避難所を巡回診療する体制も整い、始まりました。少しずつ町が動いています。

4/19は、スタジオジブリ様のご協力を得て実施している「となりのトトロ」上映会の2回目を開催しました。南三陸町内にある「名足(なたり)保育園」という避難所です。近くの指定避難所だったコミュニティセンターが流され、ここに80人ほどの方が避難しています。この上映会は、4/18に実施した上映会を知り、避難所からご依頼をいただいたものでした。

入口看板.JPG

「避難所暮らしをしている子どもたちがストレスを抱えているので、ぜひ上映をしてほしい」。

上映開始の朝9時には、たくさんの子どもたちがスクリーンの前で待ち受けていました。子どもたちだけではなく、近隣の自宅に避難している大人の皆さんもお越しになり、ひと時の映画鑑賞を楽しんでおられました。

入っていく子供.JPG

上映中.JPG

名足保育園避難所を管理されているかたからは、「物資は充足しはじめているが、長引く避難所生活で子どもだけではなく、ご高齢の方々を含めた大人も疲れがたまっていて、今回の上映会のように、ホッと一息つける息抜きとなるものや、ストレスを発散できる機会が必要」というお話をうかがいました。

物資定期便は、気仙沼に自転車40台などをお届けしました。

自転車.jpg