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活動報告

被災地を支援する

2013/10/21

【東日本大震災支援】東北から世界へ―来春、仏でマルシェ出店

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宮城県気仙沼市で、10月19日、第3回「東北マルシェ™」が開催されました。「東北マルシェ™」は、被災した生産者の多くが、店を失うなど厳しい環境下で不安を抱えるなか、2011年11月、地元NPOネットワークオレンジとCivic Forceとの協働事業として、気仙沼市で初めて開催されて以来、毎年実施されている復興イベントです。

「震災前より魅力的な街づくり」を目指して、甚大な被害を受けた三陸沿岸の商店主らに出店の機会を提供し、初年度は1日で1,000人以上を集客。出店者は、事前に実施される定期講習会でビジネスの組み立て方や検証、売り上げ目標の設定などを行う点に特徴があります。2012年8月に実施した2回目のマルシェでも、2日間で約3,600人が集まり、復興まちづくりイベントとしても注目されました。中小企業診断士などと協力し、生産者の課題解決と新たなビジネスを立ち上げていく上で役立つビジネス手法を伝え、前へ進むためのパワーを与えています。

3回目となる今年の「東北マルシェ™」は、復興後に新たに立ち上がった団体や被災した店の復帰をかけて24団体が出店し、約1,600人を集客しました。また、今回のマルシェは、フランスのコスメティックブランド「ロクシタン」のサポートを得て実現し、これまでの取り組みを進化させるべく、翌日に「社会起業家コンテスト」を開催。ロクシタンの協力のもと、上位入賞者をマルシェの本場、南仏プロヴァンスに招待し、マルシェでの出店などを予定しています。コンテスト対象団体は、マルシェに参加した24団体のうち、来場者投票と審査員による審査合計得点の上位7団体で、このうち、社会性・新規性・実現可能性・収益性などを審査基準に、5人の審査員が審査しました。

その結果、被災を免れた着物布を使った和小物を製造・販売する「ほどーる」が優勝。準優勝は、震災後、気仙沼の復興屋台村にカニ専門店を出店するなど、オリジナルブランド『かに物語』を展開する国内有数のカニむき身加工会社「株式会社カネダイ」に決定しました。優勝・準優勝の2団体には、自立につながる「起業支援金」30万円が贈られたほか、優勝団体から2人、準優勝は1人が南仏プロヴァンスのマルシェで出店するなど、さらなる学びの機会が提供されます。

 

【優勝・準優勝団体とコメント】

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■優勝:ほどーる

「津波で被災し家を失いましたが、命があるだけありがたい。親戚や知人など助けてくれた人への恩返しがしたくて、唯一被災を免れた蔵に残っていた着物を引っ張り出して、ブックカバーや針山、巾着袋などの和小物を作り始めました。『ほどーる』は気仙沼の方言で『あったまる』の意。2人だけで始め、作る量も限られていますが、東北マルシェの事前ワークショップでは、POP講座など何も分からない私たちにとって貴重な学びの機会になりました。今回の受賞は本当にビックリしましたが、フランスの人が私たちの作品をどう思うか、不安と期待でいっぱいです」 ―清水さん(右)・木田さん(左)

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■準優勝:株式会社カネダイ

「震災前は、丸ずわいがになどを全国に卸していましたが、震災で工場・倉庫を失い本社も全壊。売上は2割まで落ち込みましたが、再起をかけて仮設店舗への出店や東京の大手百貨店などでも販売をはじめ、今後もさらに成長し、拡大を続けたいと思っています。ロクシタンは目標にしていた企業の一つ。昨年も参加した東北マルシェに協力してくれると聞いて、何とかつながりを持ちたいとプレゼンに臨みました。来春、フランスでの出店を通じて、学べることはすべて吸収してきたいと思います」―熊谷さん