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2017/01/26

【熊本地震】"恐怖の体験"ではなく、"困難を乗り越えた経験"にーパートナー協働事業

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安心の輪を広げる「くまもとハグプロジェクト」

2016年夏、明るい日差しが差し込む部屋で、十数人の女性や子どもたちが抱き合って満面の笑顔を見せています。彼らの多くは、実はこの日初めて出会ったばかり。共通する点といえば、2016年4月の熊本地震を経験したこと。

震災後、地震の被害にあった各地で、こんなふうに人々が笑顔で抱き合う姿が見られました。これは、Civic Forceのパートナー「熊本・子ども女性支援ネット(KCW)」が主催する「くまもとハグプロジェクト」の一場面。目に見えない震災による心の傷を少しでも癒そうと始まった取り組みです。

熊本市内で地震を経験したKCWの清水菜保子さんは、「度重なる余震の恐怖で押しつぶされそうになったとき、ぬいぐるみを抱きしめて気持ちを整える心理カンセリングの動画を思い出した。実践してみたら不思議と安心でき、この効果を利用して一人でも多くの人の心をときほぐせないかと考えた」と言います。そして、この動画に登場する心理カウンセラーの山本トースネスみゆきさんをアドバイザーに迎え、「くまもとハグプロジェクト」が始まったのです。

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熊本市や阿蘇郡西原村、益城町、菊陽町で、6月から月に1回、実施したセミナーやワークショップには、保育士や子育てNPOの担当者、乳幼児や小学生を連れた母親・父親などが参加。被災経験によるトラウマやメンタルケアに関する基礎知識を学び、息をゆっくり吐き出す動作、ペアで背中を合わせたり肩もみをしながら、徐々に心と体をゆるめます。そして、最後にペアになって互いに”ハグ”。最初は少し緊張した面持ちだった参加者たちは、「人のぬくもりを感じて心がほぐれた」「”セルフケア”の大切さを知った」と、最後には笑顔になって会場を後にするのです。

「子どもたちにとって、そして親たちにとっても、震災の経験を”恐怖の体験”として刻み込むのではなく、困難を乗り越えたり誰かに助けてもらった体験として、”自信”につながるようにしたい」。KCWでは、そんな思いで、この小さな活動を続けています。

 

「森の教室プロジェクト」で子どもたちの心を解放!

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KCWでは、度々の余震や長期化する避難生活で外遊びが減ってしまった子どもたちのために「森の教室プロジェクト」を実施しています。森のなかで主体的に体を動かし、自然とのかかわり方や感性を磨くこのプロジェクトは、森のようちえん世界ネットワークの呼びかけによってスタートしました。

地域の保育園や湖、山、川などを舞台に開催された「森の教室」は、5月から月に数回実施し、毎回10人から60人ほどの幼児・園児や保育園の職員らが参加しました。熊本支援のために来日した韓国のNPO「自分に出会う森」のチャン先生がアドバイザーとなって、草花や葉っぱ石などで絵を描いたりお面をつくるなど自然の素材を使って多様な遊びを体感しました。

学校や広場の敷地に仮設住宅が立ち並び、思いっきり遊べる環境が制限されていた子どもたちにとって、心ゆくまで遊びを楽しめる絶好の機会となったようです。

また、KCWではこれまでの経験やネットワークを生かし、2016年12月から新たに「社会的保育士派遣プロジェクト」を開始しました。Civic Forceでは、引き続き熊本地震支援「パートナー協働事業」の一環で、KCWの先駆的な取り組みをサポートしています。