災害支援のプロフェッショナル Civic Force(シビックフォース)

HOME ニュース 被災地を支援する 【熊本地震】「ホッと一息」から見つかるニーズーー被災地NGO恊働センター

ニュース

被災地を支援する

2016/08/20

【熊本地震】「ホッと一息」から見つかるニーズーー被災地NGO恊働センター

13254188_1175649612454873_6422927502205836224_n.jpg

「地震でプールに入れなくなってしまったけれど、代わりにあたたかいお湯に入れて気持ち良かった」ーー熊本・西原村で暮らす小学4年生の女の子は、毎年楽しみにしている学校のプールが、今年は地震の影響で入ることができず残念に思っていました。でも、この日は他県からやってきたボランティアのお兄さん・お姉さんが手がける「足湯」をしてもらい嬉しそうな表情を見せてくれました。

西原村は、4月の熊本地震の本震で震度7に襲われ、一時、村の人口の約4分の1にあたる1800人が避難しました。家屋の倒壊や破損が激しく、今も約700人が避難生活を余儀なくされていますが、もともと地域のつながりの強かった村では、小さな子どもたちから老人まで発災直後から地域の人々が助け合って、最も厳しい時期を乗り越えてきました。

そんな西原村には、地域の人々と協力しながら復興をサポートする救援組織があります。1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに生まれた被災地NGO恊働センターです。これまで新潟や東北など国内の様々な災害に対応し、全国に持つ幅広いネットワークを生かしていち早く被災地に駆けつけ、中長期的な復興を見据えた支援を続けています。「足湯」の活動は、そんな被災地NGO恊働センターの特徴的な活動の一つです。

今回の熊本地震では、支援団体やボランティアが入りにくい地理的条件や社会福祉協議会の体制が脆弱なことなどから、西原村を拠点に活動を開始。西原村の災害ボランティアセンターや農業復興ボランティアセンター、地元の有志団体などと協力して、家の片付けなどを行うボランティアのコーディネートを続け、最近では「炊き出しマルシェ」や食器市、花を植えるプロジェクト、西原村の寄姫伝説について聞くイベントの実施にも携わっています。また、被災した地域の人々に少しでもリラックスしてもらおうと、避難所などで「足湯」の活動を実施。足湯は、あたたかいお湯に浸かってほっと一息した避難者の皆さんとの対話を通じて、地域の人々が本当に求めている”支援”を見つける目的があります。

13909209_1639082329739510_420313891551635778_o.jpg

また、復旧・復興に向けた地域の主体的な動きをサポートする「わかばmeeting」を5月から開始しました。活断層が通り被害の大きい地区が多い西原村では、すでに集団移転に関する話し合いが始まっている地区がありますが、わかばmeetingでは、熊本大学や九州大学、兵庫の大学の研究者などと協力して、移転後のまちづくりに関する話し合いに参加しています。

わかばmeetingでは、『できるだけ週刊 DOGYAN(どぎゃん)』という冊子の発行も開始し、こうした話し合いの内容を地域の人々に伝えています。DOGYANには、長引く避難生活を続ける地域の人々にとって有益な情報も掲載されています。中でも「もう雨漏りは許さない! 屋根のブルーシート張りのコツ」と題した記事では、地震以後、何度も豪雨に襲われ自宅崩壊の危機が迫った避難者にとって、とても重要な情報でした。

※Civic Forceは、「パートナー協働事業」の一環として、被災地NGO恊働センターの活動をサポートしています。熊本版パートナー協働事業に関する詳細はこちらから

http://www.civic-force.org/news/news-1693.php