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活動報告

被災地を支援する

2012/05/15

完成まであと1カ月!「手のひらに太陽の家」上棟式開催――協働パートナー紹介

東日本大震災発生後、変わる被災地のニーズにより広く対応するため、2011年4月から続けてきたCivic ForceのNPOパートナー協働事業。中長期的な視点を持つ地域復興のためのまちづくりをサポートする第3期では、現在、8団体とともに8事業を展開しています。今回は、復興共生住宅「手のひらに太陽の家プロジェクト」を進めるパートナー、日本の森バイオマスネットワークの活動の進捗状況について報告します。

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MG_1653-300x199.jpg東北地方の桜が開花を始めた4月末、晴れ渡る空の下、宮城県登米市登米町で建設中の木造の建物に約70人の人々が集まりました。足を運んだのは、株式会社モンベルの辰野会長や布施孝尚登米市長、各協力団体など日本の森バイオマスネットワークのプロジェクトにかかわる関係者です。

この日、上棟したばかりの建物の中で、復興共生住宅プロジェクト「手のひらに太陽の家」の上棟式が開催されました。上棟式とは、新築の際に行われる神道の祭祀で、建物の無事を願って開催される催し。柱・棟・梁などの骨組み完成後、棟木を取り付けて補強する際に実施されます。2011年12月から始まった建設工事もようやく最終段階に入り、宿泊棟である西棟、東棟に続いて上棟された中央棟は、遠くからでも目をひく特徴的な建物になってきています。

自然との共生が求められる現代社会に、もう一度森と暮らすライフスタイルを広め荒廃した森を再生したい――そんな思いで、木質ペレット燃料や国産材の活用促進による持続可能な地域社会の実現を目指して活動してきた日本の森バイオマスネットワーク。東日本大震災発生後は、避難所で木質ペレットを利用したストーブの設置や生活物資配布などの支援を実施。その中で、「森林資源の活用を呼びかけてきた団体だからこそできる支援活動とは何だろう」と考え、「手のひらに太陽の家プロジェクト」を開始しました。プレハブ仮設住宅の代わりに、被災者が孤立することなく安全安心して暮らせる国産材を使った住環境を提供するとともに、自然エネルギーを取り入れ復興に向けたモデルとなる住まいづくりがねらいです。

2012年6月に完成予定の「手のひらに太陽の家」は、平屋の木造住宅で、中央の共用棟にはキッチン、食堂、事務室、大部屋のロフトがあり、これらは入居者の交流スペースとしても利用される予定です。また、東西に延びる宿泊棟は個室が8部屋並び、各部屋は全室日当たりの良い南向きで、温かい太陽の光に満ちた居心地の良い住環境を目指します。木材は全て東北の無垢材、暖房には木質ペレット燃料のストーブやボイラーを使い、屋根に載せたパネルで太陽光発電や太陽熱給湯を行う自然共生型の住宅モデルです。また、建設には地元の職人・業者を優先的に採用することで、被災地の経済活性化にも貢献します。

竣工まであと2カ月弱、上棟式ではプロジェクトに対する内外の期待が高まっていることが確認され、スタッフも気持ちを新たにした様子です。

なお、日本の森バイオマスネットワークは、4月下旬から福島の子どもやその親たちを受け入れる週末保養事業「手のひらにタッチ!」が開始し、5月1日からは入居者の募集も開始しました。唐澤晋平事務局長は、「1年前、何もないところから始まったこのプロジェクトもたくさんの方のご支援のおかげで、ついに具体的な形になってきました。夏休みのお試し保養滞在には福島から30人を超える方からの申し込みをいただき、その反響の大きさに驚いています。長期滞在も受け付けているので、ぜひたくさんの方にご利用いただきたいと思います」と話しています。

 

 

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上棟式後は餅まきも行われました